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「人」を大切にした経営。挑戦と進化を続ける総合生活産業で地域を照らす。

遠州鉄道株式会社
取締役 グループ経営推進本部長 飯尾 圭介

更新日:2025年6月11日

1966年、静岡県浜松市生まれ。浜松北高校卒業後、早稲田大学へ進学。大学卒業と同時に故郷に戻り、1989年に遠州鉄道株式会社に入社。当時の主軸事業であるバス事業の現場業務を1年経験した後、本社へ。収支管理や輸送統計業務などバス事業における企画運営に約10年間従事。事業の多角化により新設された不動産・住宅事業部門を経て、介護サービス事業の立ち上げを担当。2009年に新規参入を果たし介護施設を開設。2014年6月、介護事業部長に就任。その後は遠鉄システムサービス株式会社代表取締役社長(2017年6月就任)、株式会社遠鉄自動車学校代表取締役社長(2020年5月就任)を歴任し、2022年6月に遠州鉄道株式会社取締役に就任。2024年6月より現職のグループ経営推進本部長に就任。経営企画部・人事部・総務部・地域共創推進室を統括。交通・不動産・介護・ITのほか多様な事業分野でのキャリアを活かし、地域とともに歩む遠鉄グループの成長戦略を描く。
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。

地域を支える総合生活産業。多様な事業を展開する遠鉄グループ。

遠州鉄道株式会社は1943年、静岡県の西部エリアの運輸・交通系会社が統合したことにより誕生した会社です。鉄道やバスなどの運輸事業を軸として成長し、小売、不動産、レジャーをはじめ多岐にわたる事業を展開。遠州鉄道を中心とした17社から成るグループ企業として、総合生活産業で地域とともに発展を続けてきました。

2023年11月に80周年を迎えた遠州鉄道は、静岡県西部を中心に多くの方々に知られています。しかし、当社は鉄道会社のイメージが強いためか、実は鉄道事業の利益がグループ全体の売上の1%にも満たず、鉄道以外の事業がグループ売上の大半を占めていることは、あまり知られていないかもしれません。

百貨店やスーパーマーケット、IT、自動車・バイク販売、ホテル・レジャー、保険、介護サービス、新築分譲・不動産仲介など、遠鉄グループが手がける事業は、いずれも地域に密着したサービスです。「この街をより良くしたい」という想いのもと、地域を豊かにするサービスの提供を目指し、既存事業と高いシナジーを生み出せる事業の創出に向けて挑戦を続けています。

地域の社会課題解決のために。新たなチャレンジを推進。

遠鉄グループではこれまで、自社リソースを活用した新規事業の創出や事業領域の拡大を進めてきました。近年はこれまでと異なる新しい価値を生み出し、地域の社会課題を解決するために、新しい取組への挑戦を推進しています。

2024年4月に協働プロジェクトを担う「地域共創推進室」を創設。10月には日本最大規模のオープンイノベーション拠点「STATION Ai」に参画し、スタートアップ企業や行政、地域のコミュニティなどさまざまな社外プレーヤーとの協働を進めています。

さらに中期経営計画に掲げているDX推進にも注力。業務プロセスの見直しや顧客体験価値を高めるためのデジタル化に取り組んでおり、戦略に基づいてDXを進めるために社内体制も整備しました。

遠州鉄道のIT部門とグループのIT企業である遠鉄システムサービス、そしてオフショア開発会社の遠鉄ベトナムが連携。グループ全体でスピード感のあるビジネス変革に取り組んでいます。

また産学連携では、大学のゼミの研究テーマに遠鉄グループの公共交通部門を取り上げていただいています。学生が研究を通じて地域への理解を深めることは、地域に貢献する人材の育成につながるでしょう。当社の面白さを知っていただく機会にもなると嬉しいですね。

「人」を大切にする会社。社員の声が届く仕組みを整備。

サービス業では、商品・サービスの提供に人が介在することがほとんどです。つまり、すべてのサービスを支えているのは「人」。だからこそ、社員一人ひとりが前向きに働ける環境作りが大切です。

そのため中期計画においても「人を大切にして企業価値を高める」を基本方針としています。社員を大切にするための手段のひとつとして構築したのが、社員の声を聞き取れる仕組みです。

各部門における1on1ミーティングのほか、業務上の課題やプライベートでの困りごとなどを把握するためのアンケート調査を定期的に実施して社員の声を丁寧にくみ取っています。

ハラスメントなどの相談窓口は第三者機関による外部相談窓口を設置。安心して声を上げられる体制も整え、問題解決に取り組めるようにしています。

また、遠州鉄道にはさまざまな職種があります。それぞれの経験を活かして各職種で活躍し、将来的には遠州鉄道の各事業の中心を担う人材へのキャリアアップを期待しています。

一人ひとりに合わせたキャリアマネジメントと成長を支える教育投資。

新しい挑戦を続ける中で“自ら考えて動ける人”の存在はとても重要です。成長を実感して活躍し続けられるよう、会社として次のステージを用意することが必要ですが、その点については、まだまだ課題を感じています。

そうした課題に真剣に取り組んでいくための第一歩として、タレントマネジメントシステムを導入しました。これまでの経験やそこで得たスキル、今後のキャリアイメージ、上長のフィードバックなどを登録でき、人事異動などで部署や上司が変わっても継続的なキャリア形成ができる仕組みを整えています。

また人材育成のための教育投資も積極的に行っており、部門別や階層別の教育研修はもちろん、全体においても各種研修が充実しています。管理職研修では希望者全員がMBAプログラムに参加可能。そのほかにも他社と交流し、学びを深める異業種交流研修も行っています。

これからは、指示待ちではなく自分で考えて動ける人が活躍する時代です。会社としても、学び続ける文化を根付かせ、社員がステップアップできるステージを創っていきたいと考えています。

中途入社でもキャリアにハンデなし。だれもが活躍できる公平な評価と環境。

遠州鉄道は新卒・中途入社に関わらず、公平な人事評価を行っており、キャリアアップの機会に差が生じることはありません。実際、都市圏で経験を積んだ人材がU・I・Jターンで遠州鉄道に入社し、各事業の中心となって活躍しているケースが多々あります。

また、遠鉄グループ全体の知名度も高く、地域での信頼感も大きな武器です。誰からも知られている企業であることは、地域に密着した事業を行う企業ならではの強みです。知名度の高さは顧客の安心感にもつながるため、仕事のしやすさという点では恵まれた環境といえるでしょう。

自身の得意分野で専門性を高めて事業の中核人材を目指すことも、遠鉄グループ全域でキャリアを築いて将来の経営人材を目指すことも、幅広い事業を展開する遠州鉄道なら可能です。

仕事を通じて地域に新たな価値を生み出す仲間を募集中。

地元という存在は当たり前すぎて、その価値に気づきにくいものです。しかし、遠鉄で働いていると、その「当たり前」を守る仕事の尊さを日々感じます。

地域の人々の暮らしに直接関わり、自分が生まれ育った街を自分の仕事を通じて少しずつ良くしていく。その手応えこそが、大きなやりがいにつながります。

地元に貢献することに、誇りと喜びを感じられる。そんな想いを持つ方に、お会いできることを楽しみにしています。

各分野で培われた多様な経験と遠州鉄道にない知見をぜひ持ち込んでください。ともに地域の課題に向き合い、自らの手で素晴らしい地域の未来を創っていきましょう。

編集後記

チーフコンサルタント
原口 翼

今回のインタビューを通じて、飯尾氏が一貫して大切にされているのは「人」であることが強く印象に残りました。多様な事業を展開し、時代に合わせた進化を続ける同社において、社員一人ひとりの声に耳を傾け、成長を支える環境を整える姿勢はまさに「人を起点とした経営」そのものです。

静岡県西部という地に根ざしながらも、外部との協働やデジタル活用によって新たな価値を創出する姿勢から、未来への強い意志が感じられました。遠州鉄道は地元で働くことの価値と誇りをあらためて実感できる、そんな企業であると感じます。

地域の未来を本気で創ろうとするこのフィールドに、多くの志ある人材が加わることを心から願ってやみません。

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