転職成功者インタビュー

丸仲商事株式会社
阿部由紀夫さん(仮名・営業) 29歳

畑違いの転職に芽生えた、新たなやりがい、夢だった生活。

阿部由紀夫さん(仮名)は、静岡の機械メーカーへ転職したリージョナルヒーローだ。それまでは大手の印刷会社。販促企画を指揮していた文系営業マンが、エンジニアが集まる理系の営業現場に飛び込んだ。

カタチのないものを提案する営業から、1台数千万円の機械を売る営業へ。専門知識や専門用語の壁に苦労しながらも、畑違いの自分だからこそできることや、会社からの期待も感じる日々。

同時に生活も一変した。以前は深夜帰りが当たり前だったが、今では夜7時半には帰宅し、婚約者と夕飯のテーブルをともにする。「こういう生活が夢だった」と喜ぶ阿部さんにお話をうかがった。

(※本記事の内容は、2014年5月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで36日間

転職前

業種
大手印刷会社
職種
営業
業務内容
新規開拓から既存顧客の売上拡大まで幅広く法人営業を担当。 その後はマーケティング、生産管理も兼任し、一連の流れを経験。

転職後

業種
工作機械メーカー
職種
法人営業
業務内容
住宅メーカーや建材メーカーなどに対する自社開発製品の提案販売を担当。

関東への転勤辞令をきっかけに、静岡定住を決意。

現在のお仕事はどんな内容ですか。

工作機械メーカーで営業をしています。自社で開発した機械を、住宅メーカーや建材メーカーなどに提案販売する仕事です。特に強いのは、システムキッチンなどを製造するための機械。「縁貼(ふちばり)」という加工では全国的にもトップシェアを誇っています。

入社前のご経歴を教えて下さい。

大手の印刷会社で営業をしていました。今と同じBtoBですが、何かを売るというより、企業の販売促進を手伝いをする仕事でした。食品のパッケージや、カタログ、チラシなど、販促物全般を企画・提案していました。

転職のきっかけは?

転勤辞令が大きなきっかけになりました。静岡の支社で働いていたのですが、30歳のときに関東への転勤を言い渡されました。もっと若い頃は、東京に行きたくて仕方なかったんですよ。「東京で仕事しなきゃビジネスは語れないだろう」みたいな思い込みがあって(苦笑)。

でも28、29才になると変わってきましたね。「ごみごみしたところは嫌だなぁ」と。静岡が好きでしたし、県内で暮らしている母親の面倒も見たいという気持ちもありました。それから、静岡の人と結婚する約束もしていたので。それで、転職して「静岡で働こう!」と決めたんです。

転職活動はどのように進めましたか?

2012年の4月に転勤の辞令があって、8月に会社を辞めました。それから本格的に転職先を探し始めました。といっても初めてのことなので、右も左も分からず、とりあえずインターネットでいろいろな転職サイトに登録しました。

希望職種は営業。営業がしたかったというよりも、ずっと営業でしたからね。転職するからには、経験値が求められるはず。まったく畑違いの仕事を希望するのはさすがに甘いのでは?と思っていたためです。

その結果、いろいろな転職エージェントから紹介をもらい、そのうち8社の面接に行きました。面接では、前の会社での役割をアピールしました。何かを突き詰めるというよりも、コンダクターのような仕事をしていましたので、ゴールを設定し、そこに向かっていろんな人を動かしていく役割です。このような役割は、どんな業界の営業でも求められると思ったので、アピールポイントとしていました。そして、4社から内定をいただきました。

今の会社に決めたポイントは?

まず重要だったのは、静岡で働き続けること。そのつもりで転職先を探していましたが、よくよく話を聞いてみると、「最初の勤務地は静岡だけれど、将来的にはわからない」という会社もありました。それも仕方ありませんよね、それが会社ですから。

でも、今の会社は本社が静岡。出張は多いけれど、転勤はありません。人数は50人くらいで規模は小さいけれど、実績のスケールは大きく、作っている機械は全国各地の大手に何台も納品実績がありました。ニッチだけれど、そこでトップシェアを占めているところに魅力を感じました。

知らなかったことを知るのは、いくつになっても楽しい。

転職していかがでしたか?

今扱っている機械は、1台が2,000万から3,000万円。しかも、1回入れると10年から15年は使われるもの。責任が重いぶん、そこが面白いところでもありますね。ライバルも結構いるので、営業時は戦略を立てて臨むことが重要です。会社によって設計思想が違いますから、ライバルとの違い、当社ならではの機能をいかにアピールするかに知恵を絞っています。

まさに現在、会社が新陳代謝の時期であり、さらに時代も変化していることもあり、今のままの売り方ではだめだという危機感もあります。異業種から来た自分の目線をとり入れようというムードがあるので、やりがいがありますね。今まで出せていなかった当社の良さをアウトプットし、PRしていければと思っています。

課題はありますか?

文系の人間なので、まだまだわからないことばかりです(笑)。提案する相手が製造技術部門の人ですから、速度や距離など、理系の知識が必要な専門用語も飛び交います。わからない言葉が出てきたらそのたびにノートに書き、後で調べる。その繰り返しです。大変ですが、全然知らなかったことを吸収するのは、いくつになっても面白いと感じています。

あとは、自分自身の意識の変化です。前職は大企業だったのでつぶれることは考えられなかったし、自分一人が何をしても会社が大きく変わるわけではないと感じていました。しかし、今は会社が小さいぶん、1人1人が経営者という意識を持たなければなりません。安定が約束されているわけでもありませんし、ベンチャー企業のつもりでがんばらなきゃいけないと思っています。

生活面にも変化がありましたか?

家に帰る時間が全然違います。前は帰りが夜中の1時、2時になるのも当たり前でした。仕事の途中で会社を抜けて、ラーメンを食べて、また仕事に戻るという生活でした。今思うと地獄でしたね(笑)。もう本当にしんどくて・・・。

それが今では、夜7時半には家に着いてます。好きなゴルフの練習をしたり、婚約者と2人で晩ご飯のメニューを考えたり、一緒に作ったり、という当たり前のことがすごくうれしいです。こういう生活が夢でしたし、生活にリズムが出てきたので体調も良くなりました。母も転職を喜んでくれています。これまでずっと体のことを心配していたので。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職には、タイミングがあると思います。前職の時は仕事で何か嫌なことがある度、「転職したい」と思っていましたが、本当に転職する気はありませんでした。しかし、30歳を目前にしてコンダクターのような仕事ができるようになった時、「1段目を終えたな」というか、「このスキルは、他に行っても使えるな」という区切りを感じました。それが自信になり、転職に踏み出せた気がします。

自分に自信がないうちは、転職してもいい方向には進まないのではないかなと思います。臆病な気持ちが消え、「今ならいける!」という瞬間があると思います。そういうひらめきや自信は大切にしてもいいと思います。まったく新しいフィールドでチャレンジするのも、楽しいものですよ。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
原口 翼

弊社にエントリーいただいたのは、去年の8月。阿部さんは東証一部上場企業の静岡支社の営業職として活躍されておりましたが、転勤の辞令がきっかけで、退職を決意。結婚や家族との同居を考えていたこともあり、地元静岡での転職をご希望されていました。

転勤なしで、阿部さんのお人柄や仕事に対するスタンスにマッチするであろう、静岡に本社を置く、業界ナンバーワンの工作機械メーカーを紹介させていただき、内定。

他社エージェントやご自身でも転職活動を進めており、4社ほど内定が出た中で、弊社紹介の企業に入社を決意されました。決め手は、実質経営を任されている専務のお人柄、事業・仕事内容。

阿部さんからイキイキと働かれているお話しや、専務からの高い評価をお聞きすると、本当に嬉しく思います。

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