転職成功者インタビュー

株式会社ジーシー
塩野絵見 さん(仮名・開発技術職) 26歳

地縁のない静岡へのIターン転職。地場の転職支援会社と見つけた”やりたかった仕事”。

工学系の大学院を卒業し、兵庫県の医薬品原薬メーカーに勤務していた塩野さん。研究開発職として勤務し、大きな不満はないものの、研究対象に強く興味を持てないことが引っ掛かっていた。

そんな折に結婚が決まり、静岡県東部へ引っ越すことに。せっかく転職するのであれば自分のやりたかった仕事に就こうと、静岡県東部で製造技術系の仕事を探し始めた。

条件に当てはまる求人は多くはなかったものの、これからの人生をどのように生きていくのか、そのためにはどこでどんな仕事に就きたいのかを今一度突き詰めて考えた。

そして導き出した答えの先にたどりついた転職先は仕事面でもプライベート面でも妥協のない、満足度の高いものだったという。そんな塩野さんの転職活動体験談を紹介する。

※本記事の内容は、2023年12月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで90日間

転職前

業種
医薬品原薬メーカー
職種
研究開発職
業務内容
核酸医薬の研究、プロセス開発、技術開発など

転職後

業種
歯科医療総合メーカー
職種
開発技術職
業務内容
材料製品の製造工程における開発業務

結婚に向けたIターン転職を期に、やりたかった仕事を改めて考えた。

現在のお仕事はどんな内容ですか? 

私が勤務する「株式会社ジーシー」は、歯科医療で使われる薬剤や機械を開発、製造、販売する歯科医療の総合メーカーです。

具体的には、虫歯を削った後に詰める金属やレジン(プラスチック素材の詰め物)、歯型をとるための石膏などから、椅子まで、歯科医院にかかわる製品全般を取り扱っています。

海外にもグループ会社があり、品質は世界基準。歯科材料分野では国内トップシェアを誇ります。

私は「材料製造部 材料技術開発課」に所属していて、担当は開発技術係。静岡県小山町にある工場に勤務しており、入社して8ヶ月ほど経ったところです。

工場では歯の詰め物としてのレジンやセラミックブロックなどを製造しているのですが、より効率よく製品を作り出す方法を検討するのが私の仕事。製造する際に発生する問題を解消して、材料を変えるのか、もしくは設備を変えるのかといったことを検討しています。

毎日、詰め物の試作や提出書類の作成、調整会議などをしていて、一日があっという間に過ぎています。

入社前のご経歴を教えてください。

三重県四日市市の出身で、愛知県豊橋市にある工学系の大学、大学院へ進学し有機化学を学びました。新卒で入社したのは、医薬品の原薬メーカー。製薬会社向けに医薬品の中間体や原薬の製造開発する会社でした。

勤務先は兵庫県で、私は研究開発職として核酸医薬という化合物の研究をしていました。既に完成している薬をさらに効率よく作るための研究で、この成分を何mgにしたらどのような変化が起きるか、といった実験を繰り返していました。

転職のきっかけは?

前職での研究という仕事に大きな不満はなかったのですが、実は研究テーマにあまり関心を持てず、新しいことを生み出す発想力が求められる仕事だったので私にとっては難しく、向いてないと感じることもありました。

そんな折、当時静岡県三島市に住んでいた交際相手との結婚が決まり、静岡県東部エリアに引っ越すことになりました。そして、せっかく引っ越して転職するからには、自分が本当にやりたい仕事に就きたいという思いが強くなっていきました。

前職の仕事は、入社時に希望していたものとはかなり違っていたこともあり、できればもう少し製品を作る側、製造技術の仕事をしたいと考えました。

転職活動はどのように進めましたか?

まずいくつかの大手転職サイトに登録しました。そして求人を紹介していただいたのですが、これが的外れの提案ばかりだったんです。勤務エリアは静岡県東部と伝えていたのですが、静岡県の中でも西部の企業を勧めてこられたこともありました。

全国規模のサービスは担当者が地元の方じゃないから同じ県内でも遠くて通えないこともわからなかったんだと思います。

このままではまずいと思い、別の転職サイトに登録したところ、「リージョナルキャリア静岡(株式会社リンク・アンビション)」の担当コンサルタントである池戸さんからメッセージをもらいました。

調べてみると、東海圏に強い転職支援会社だと知り、ここにお願いすれば大丈夫だろうと思いました。

池戸さんはフランクな人柄でとても話しやすく、何でも言いやすかったですね。不安なこともすぐに相談に乗ってくれましたし、サポートが心強かったです。連絡も迅速で、「あれは今どうなっていたかな?」と思うこともなく、進行もスムーズでした。

「このエリアだとそんなに数はないですが」、と言って紹介してくださいましたが、的外れな求人はひとつもありませんでした。

今の会社に決めたポイントは?

最終面接は勤務地となる小山町で行われたのですが、その際とても手厚く接してくれたのがすごく良かったです。その日私は関西から出向いたのですが、面接が終わった後、まだ内定が出る前に御殿場市内を案内してくれました。そんな歓迎ムードも嬉しかったですね。

また、一次面接はオンライン面接で、部長と課長と人事の方の3人が担当だったのですが、部長は理系タイプの頼れる上司と言う印象で、相談しやすそうだなと思ったことも決め手の一つでした。

業務的には製品の数が多いため忙しそうだと感じましたが、私はどちらかと言うと忙しい方が好きなので、そこもいいと思いました。

勤務地が小山町だったことに関しては、行くまでは「田舎だろうな」と思っていたのですが、思った以上に田舎でした(笑)。

しかし富士山の見晴らしもいいですし、空気もキレイ。住む場所は隣の御殿場市にしたので生活には困りませんし、自動車通勤だけは覚悟しなくてはと思いましたが、まったく嫌だとは思いませんでした。

転職は人生を考えるタイミング。人生の目標を何にするかを考えて仕事を選んだ。

転職していかがですか?

満足度は高いですね。仕事内容は希望していた通り、製造技術の仕事に就けています。忙しい仕事がいいということも希望していましたが、それも叶っています。一つ終わると二つ増える感じです(笑)。

それからお客さんと近い場所で仕事をしたいという想いもあったのですが、今後都内の歯科医院で、自社製品が実際にどんな風に使われているかを見られる機会がありそうなので、その辺りも良かったと思います。

会社の雰囲気は、前職とあまり変わらないですね。以前も理系の会社で男性が多かったからかもしれません。今の部署は女性が私だけという点に少し不安もありましたが、あまり関わりがない別の部署の方から飲みに誘われたりして、楽しく過ごせています。フレンドリーな方が多くて良かったです。

転職して良かったと思うことは?

つい先日、この仕事に就いて良かったと思うことがありました。ある製品は充填して作るのですが、その際気泡が入ってしまうという問題があったんです。

それを解決するために使えそうな設備をレンタルして検証し、気泡が入らないように改善できました。やっぱり改善が実った時に一番やりがいを感じますね。希望していた技術的な仕事ができていると思います。

実際に入社して良いと思った点は、会社の人たちがとても良い人ばかりというところ。先日結婚したことが社内報に載ったのですが、廊下ですれ違う人や社内のチャットなどでおめでとうと言ってくれる人がすごく多くて。明るくて話好きな人が多いですね。

困っていることや課題はありますか?

どの仕事もそうかもしれませんが、覚えることが多いという点で大変だと感じることはあります。工場は専門用語が多いのでわからない時は先輩に教えてもらうのですが、覚えるのが大変で馴染むのに少し時間がかりました。

それから一つの案件を進めるにあたり、現場や上司はもちろん、他部署など確認することが各方面にたくさんあり、案件ごとに毎回変わるので、たまに誰に確認すべきかもわからないことや、先輩に相談しても判断のつかないことがあって、それも大変だと感じることはあります。

それから私はずっとペーパードライバーで、今回通勤のために車を運転するようになったのですが、まだほぼ初心者。御殿場市は標高が高くてたまに霧が発生するので、初心者にとっては注意が必要だと思うことはありますね。

生活面での変化はありましたか?

引っ越しを機に運転するようになり、御殿場市の自宅から沼津市のららぽーとや三島駅周辺までは、自力で行けるようになりました。だから買い物で困ることはないです。

服はアウトレットがあるのでまったく問題ないですね。車なら10分ほどで行けますし、広くて買い物に行くのが楽しいです。それから御殿場はなぜか薬局がすごく多い。日用品の買い物も不便を感じることはありません。

それから私の趣味はバスケットボールで審判をすること。ライセンスを持っているので静岡県でもできるのですが、全体的に試合が少なく県内でも西部エリアだと遠くて行けないこともあり、なかなか思うようにやれていないというのはありますね。

最近は主人の趣味である山登りについて行くのが楽しいです。先日は筑波山に登りました。登山はなかなか大変でしたが、旅行として楽しんでいます。山梨県の温泉もわりと近いので、気軽に行けていいですよ。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職は人生を考えるタイミングかなと思います。今何をやりたいかも大切ですが、何を人生の目標にするかを考えることも大切。そのために譲れない条件は何なのかをしっかり洗い出し、できるだけ細かく決めること。自分にとって何が重要なのかを意識しておくといいと思います。

私の場合は勤務地や、仕事内容が譲れないポイントでした。そして結婚してからも仕事を続けたいと思ったので、長く続けられそうな会社というのも意識しました。勤務エリアを絞ったので、候補となる会社は結局2~3社でしたが、それでも妥協せずに仕事を見つけられました。諦めなくて本当に良かったなと思っています。

ちなみに、Iターンについては、私はまったく不安を感じませんでした。友達も知り合いもいない場所へ引っ越したとしても、仕事をする上で様々な方と話をするので寂しさは感じないと思っていました。特に私は地元が三重なので、関西に居ようが静岡に居ようが、普段地元の友達と離れているのは変わりませんからね。

条件は、もしかしたら途中で変わることもあるかもしれませんが、一度はっきり決めることが大事かなと思います。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
池戸 岳

ご結婚を機に関西から静岡県東部へIターンされた塩野さん。20代で縁もゆかりもない土地へ飛び込んでの新生活。かつ決して社会人経験も長くない中での転職は、不安な点が多かったと思います。

そのため、今回のインタビューで仕事も生活も充実されている現在のご様子を伺えて、私もとても嬉しく思います。

希望エリアで塩野さんが ”やりたい仕事” を実現できる求人は正直潤沢にはなく、私も「現実的に通勤可能な範囲はどこか」を考えながら求人サーチを進め、ご提案できたのは3社ほどでした。

その中でも比較検討をじっくり行い意思決定されていく姿をみて、転職を成功させる一つの要素は「決断力」だなと改めて感じました。これからのご活躍を楽しみにしています。

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