転職成功者インタビュー

株式会社静岡新聞社
浜田純さん(仮名・整理記者) 34歳

一度不採用になった地元大手に再チャレンジ!キャリアを活かして採用を勝ち取り、理想のUターンを叶えた。

浜田さんは静岡県東部の出身。新卒では、地元大手企業に就職したもののキャリアビジョンは漠然としていた。その会社は家族の事情で退職することになるが、次は自分の好きな仕事をしようと心に決める。

そして「文章に携わる仕事」を求め、全国展開する業界紙へ入社した。その後営業職を経て記者としても順調にキャリアを築いた浜田さん。仕事に対して不満はなかったものの、そこで改めて自分が本当に求めているものは何かを自問する。そして辿り着いたのが、「自分は両親の住む静岡に戻って仕事がしたい」という結論だった。

静岡にある新聞社の数は決して多くない。過去の就職活動時に一度受けた会社があったが、まさか再び受けることはないと思っていた。しかし担当コンサルタントに背中を押されて受けてみたところ、見事採用に。希望していた静岡での人生が幕を開けた浜田さんの転職活動について、詳しく伺った。

(※本記事の内容は、2022年9月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで90日間

転職前

業種
産業新聞社
職種
記者、法人営業
業務内容
企業・自治体に対して工業製品・人事・設備投資などに関する取材執筆業務

転職後

業種
総合情報産業を営む静岡に根差したメディア企業
職種
整理記者
業務内容
新聞のレイアウト作成など編集業務

前職の時から革新的な取り組みに注目していた会社へ。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

私の勤務する「静岡新聞社」は、静岡県内で地方紙を発行している会社です。「静新SBSグループ」という、テレビやラジオ、新聞などのメディアを主軸にWebサイトやイベントなどを展開するグループの一角を担っており、県民の皆さまへ地域の情報をお届けしています。

私の担当は整理記者といって、所属は新聞の編集部門。取材記者が作成した記事を、新聞のページ上でどのように落とし込むかレイアウトを決めるのが私の仕事です。記事のテキストと写真データを受け取ったら内容をチェックし、見出しをつけ、記事の配置を検討していきます。

重要な情報はトップ記事として配置するなどのセオリーがあり、視覚的にこの記事が重要だと伝えることができるので、記事の需要性と読者の方の視線はどう流れるのかを考えながら、テキストの配置や写真の大きさを決定します。

私が現在担当しているのは、朝刊の全国ニュースや国際面。勤務時間は基本的に夕方の4時から夜の12時までという特殊な時間帯となっています。出勤先は本社で、入社して半年ほど経ちました。

入社前のご経歴を教えてください。

出身は静岡県東部です。大学卒業後、なんとなく良さそうだなという理由で、県内にあるインフラ企業へ入社。インターネットプロバイダーの営業をしていました。

ところが、働きはじめて1年ほど経った頃、母方の祖母に介護が必要になったんです。そのため、私が仕事を辞めて介護に注力することになりました。実家は精肉店を営んでいたため、その店を手伝いながら介護するという生活が3年ほど続きました。

その後祖母が亡くなり、改めて就職することにしたのですが、今回は興味あることを仕事にしようと決意。もともと文章が好きだったので新聞社を希望したところ、製造業関係の全国紙を発行する新聞社へ入社することができました。

最初の5年間は名古屋勤務で、製造業の特殊な機械の展示会の営業を担当。その後、配置転換で東京へ転勤するとともに編集記者になり、製造業界の社長のインタビュー取材などを経験しました。一年後に横浜へ転勤となり、都内から電車で通うという生活をしていました。

転職のきっかけは?

以前の仕事は始めてから7年ほど経っていたのですが、仕事に対する不満はほとんどありませんでした。気になることがあるとすれば、全国に支店がある会社だったので、転勤は避けられないということ。ゆくゆくは両親の住む静岡で暮らしたいと思っていたんです。

しかし、そうこうしているうちに新型コロナウィルスが流行りはじめ、なかなか実家に顔も見せられない状況になってしまいました。そしてそんな折、父が病気になってしまったんです。

やはり両親のそばで暮らしたい。結婚して年齢も34歳になったし、そろそろ腰を据えて静岡で働こうと決意し、静岡で職を探すことにしました。

転職活動はどのように進めましたか?

まずさまざまな転職サイトに登録しました。ほとんど使わなかったサイトも入れたら、7つか8つ登録したと思います。登録後、送られてくる求人をチェックしていましたが、なかなか自分に合う求人がないな、と思っていました。

そのうちに「リージョナルキャリア静岡(株式会社リンク・アンビション)」のコンサルタントの池戸さんから連絡をもらいました。同社は静岡県内の求人に強いことをうたっていますが、実際、静岡新聞社の求人は他社サイトには載っていなかったと思います。

紹介していただいた静岡新聞社をぜひ受けたいと思いましたが、実は数年前、営業職だった時に受けて、落ちたことがありました。そのことを担当コンサルタントの池戸さんに伝えたところ、「当時受けていたのは営業系の部署ですよね。今は記者・編集者としてのキャリアがあるので、それを活かして再度受けてみては」と背中を押していただいたんです。

少し驚きましたが、その後面接の場を設けていただき、採用が決まりました。通常、一度落ちた会社を受けるのはためらってしまいますよね。だから背中を押してもらえて、本当にありがたかったと思っています。

今の会社に決めたポイントは?

まず大前提に、静岡県で働けること。そして新聞社ということ。記者としてキャリアを築いてきたので、その経験が活かせるのが良いと思いました。

それから、静岡新聞社は革新的なメッセージを発信したり、取り組みをしているところにも魅力を感じていました。以前勤務していた新聞社でも、同社の取り組みを見習わないといけない、と役職者が周知していたことがあったんです。

例えば、ホームページにイノベーションリポートというものが載っているのですが、これはユーザーファーストという考え方で、今後、静岡新聞社がどのような方向にいくべきなのか、読者や生活者からもアイデアを取り入れるという方針なんです。そんな柔軟な考え方が良いなと思いました。

他にも、ローカルな新聞社なのに、若手社員をアメリカのシリコンバレーに派遣しています。Uターンしながらも、こんな革新的な会社で働けるのは本当に幸せだと思います。

今後転職するつもりはないので、定年までの25〜30年間、頑張ってやり抜きたいなと思っています。

特殊な勤務体制が、意外にも子育て世帯にフィット。

転職していかがですか?

まだてんやわんやの毎日ですが、非常に満足度は高いです。日々新しい刺激を受けながら、楽しく仕事しています。

前職では取材記者だったので、現在の整理記者とまったく同じではないですが、新聞をつくる際にベースとなる知識は共通するものがあります。言い回しひとつとってもこれがいいなど、新聞の基礎がわかっているので、スムーズに進行している部分はあると思います。

会社の規模は前職と同じくらいですね。社内もいい人が多いです。新聞社特有の、一癖も二癖もある方もいますが(笑)。とっつきにくいところもあるけれど、いい人たち。そんな方々に囲まれて、楽しく仕事させてもらっています。

それから転職してすぐに子どもが生まれ、現在7か月なんですが、私の勤務時間は夕方4時から夜中の12時までという独特の時間帯。どこまで子育てに協力できるか心配でした。

しかし、これが意外と都合が良かったんです。平日でも出勤時間までは、妻と一緒に子どもの世話をできますし、近くの児童館に行って遊んだりしています。子どもの体調が悪い時は、午前中に私が小児科に連れて行くことも。

それから私が仕事から帰ってくるのは、妻も子どもを寝かしつけたタイミング。会社で起こったことや子どものことなど、夫婦でゆっくり話をする時間もあります。子どもが入学する頃には生活も変わると思いますが、今はこのスタイルで良かったなと思っています。

転職して良かったと思うことは?

やりがいはものすごくあります。先輩と相談しながら、このニュースはこういう理由があるから記事を大きくするなど、ニュースの格付けをして、最適な見出しを考え、どうしたらもっと読者に届くか、ということを毎日考えています。

ニュースは毎日変わりますし、正解はない仕事なので難しさは感じます。しかし、先輩から意見をもらいながら日々真剣に取り組み、読者満足度を上げるために奮闘しています。県内の多くの読者に見られているということも、すごくモチベーションにつながっています。

それから、通勤時間がかなり減ったことが良かったです。以前は東京から横浜まで通勤し、片道2時間弱かかっていました。今は車で15分。これはUターンならではですね!

困っていることや課題はありますか?

4月に入社した新卒社員が部署に配属されたので、その子たちには負けないように頑張ろうと思っています(笑)。新人たちはキラキラしていて、配属先の先輩方も「面倒を見なくては!」という思いがあるので、すごく可愛がられています。

中途採用の場合は、新人ではないので入社後の研修は無く、ちやほやもされません(笑)。だから「追い抜かれないようにしなくては!」と思っています。中途採用の割合は多くなく、1〜2割程度という感じですね。

それから、部署内はフリーアドレスなので、昨日隣に座っていた人が今日はすごく遠くにいることも。だから名前と顔を一致させるのに、なかなか時間がかかるなとは感じています。仕事がシフト制ということもあるかもしれません。

生活面の変化はありましたか?

静岡県の東部に実家があるのですが、車ですぐに遊びに行けるようになったことは良かったです。父は肺の基礎疾患があり、もしものことがあったら大変なので、コロナ禍では東京から実家へ行きづらかったですから。静岡県内に住むことになり、両親も安心してくれていると感じます。

妻は三重県生まれですが、縁もゆかりもない静岡へ一緒に来てくれたので、今でも頭が上がらないですね。せめて私が子どもの世話を手伝える勤務体制で良かったなと思いました。最近は妻に静岡のいい場所を見せたくて車で出かけたり、街を見て回ったりしています。

東京は買い物やお出かけ先としては好きだったので、たまに出かけることもあります。都内へも車や電車ですぐ出られるという環境も、気に入っています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職する時に一番大切なのは、自分が何を求めて転職するのか、よく考えることだと思います。今までのキャリアを活かしたいのか、給料がたくさん欲しいのか、休みがたくさん欲しいのか。人によって求めるものは違うと思います。

ですから、自分が求めるものを明確にし、それを実現すれば、転職に失敗することはないと思うんです。早く内定が欲しいと思ってしまいがちですが、内定をもらう前にそこを突き詰めておくことが大事かなと。そうすれば転職後のやる気も持続すると思います。

私が一番大切にしたのは、静岡に帰ること。今、実際に静岡に戻ることができて、すごく満足していますし、仕事のモチベーションもずっと保てていますよ。

それから、転職支援会社は上手に活用するのがおすすめです。一度不採用になった会社を受けるなんて、なかなかできませんよね。担当コンサルタントの池戸さんに導いていただいて、本当に良かったなと思っています。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
池戸 岳

Uターンを希望されていた浜田さんは、新聞記者としてのキャリアをお持ちで静岡新聞社の選考はスムーズに進みました。

一方で、転職活動をしていたタイミングは、奥さまが第一子出産直前。さらにコロナ禍で東京から静岡への転居と、不安な点が多くあったと思います。

少しでも不安が和らぐよう、内定後に細かな部分も含めて質問を伺い、丁寧に回答させていただくように努めました。

現在は特殊な勤務体系の中で、子育てにも関わる時間が取れているとのことで、安心しています。今後のさらなるご活躍を楽しみにしています。

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