転職成功者インタビュー

臼井国際産業株式会社
鈴木大樹さん(仮名・社内SE) 32歳

想定外の転勤から地元へ戻り、前職から一歩踏み込んだ開発職に。AIなど最先端技術に挑む。

伊豆の国市出身の鈴木さん。山梨県の大学に進学後、就職は静岡県東部に戻り、自動車部品会社でプログラマーとして働いていた。地元には友人が大勢いて、会社も仕事内容も気に入っていたため、定年までこの会社で働いていきたいと思っていた。しかしある日突然会社が買収され、経営がドイツ系企業に変わってしまう。それに伴い、鈴木さんは東京の系列会社へ出向することが決まった。全く希望していなかった都会の生活で、煩わしい満員電車に揺られる日々。いつかは地元に戻れるだろうと期待していたが、そのタイミングがくる気配は一向にない。「これからの人生、やっぱり地元に戻って暮らしたい!」そんな自分の想いに気づいた時、本格的な転職活動がスタートした。(※本記事の内容は、2022年8月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで60日間

転職前

業種
自動車関連製造メーカー
職種
社内SE
業務内容
システム(SAP)導入、保守運用

転職後

業種
世界的シェアを持つ独立系自動車部品メーカー
職種
社内SE
業務内容
業務管理システムの開発

経営が変わり、地元で就職したはずが異動で都内へ。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

私が勤める「臼井国際産業」は、自動車部品の製造・販売会社です。主に車の足元に配置される、エンジン内部へガスを供給するパイプ部品などを作っています。工場と販売拠点はアメリカをはじめヨーロッパ、東南アジアなど、世界中にあります。取引先はトヨタや日産など日本の自動車メーカーのほか、海外の企業など様々。どこの自動車会社とも平等に取引をする独立系の会社であり、特許は6000件取得。クオリティーも世界最高水準の耐久性を誇っています。

私が所属しているのは、システム部の開発課。社員が使用する業務全般を網羅したシステムの開発を担当しています。営業が受注案件の詳細を入力すると、生産するためにはいつどのぐらいの人数が必要で、部品はどれが必要かなどを自動で算出し、生産計画が立てられるようになっています。

また、販売・出荷・入金確認までもトータルで管理可能。このような業務管理システムは、パッケージソフトを購入して作るケースもありますが、弊社のものは一から作ったオリジナルです。

私はもともと社員からシステムに対する要望を聞いて、プログラマーとの間に立つような立場のシステムエンジニアとして採用されたのですが、まずはシステムの内容を知っておいた方が良いとのことで、開発課の所属となりました。現在は入社して1年と4ヶ月ほど経ったところです。

入社前のご経歴を教えてください。

伊豆の国市出身で、高校卒業後、山梨県にある大学の工学部、コンピュータ・メディア工学科を卒業しました。プログラミングが得意だったのでプログラム開発の仕事に就きたいと思い、地元に近い沼津市にある自動車部品会社へ入社しました。しかし4年ほど経った時に、経営がドイツ系の会社に変わり、東京にあるグループ会社へ異動になってしまったんです。

その会社で担当したのは、現在と同じような社内向けの業務システムでした。SAPというパッケージソフトを使ったシステムで、社内全体の業務を網羅しているものでしたが、製造・人事・経理など、分野ごとに担当が分かれていました。

私が担当していたのは、経理や原価管理などのお金に関する分野。社員にヒアリングして、どうしたら使いやすくなるか、どうしたら効率よく作業できるか、といった要望を聞き、SAPを改修していました。お金に関する分野だったので、少しのミスも許されず、なかなか気を遣う仕事でしたね。特に消費税が変わる際の対応などは大変だったのを覚えています。

転職のきっかけは?

Uターンした一番の理由は、地元へ帰ってきたいという想いがあったこと。前職で東京へ異動になったとき、自分としてはあまり乗り気ではありませんでした。数年で帰ってこれるだろうと、とりあえず会社に従ったものの、全く帰れる気配がなかった。地元に帰ってくるたびに、「友人がたくさんいて楽しいな」と思っていました。

それから災害時のことを考えると、近くに身寄りがいない東京暮らしは不安で。通勤も毎日の満員電車に慣れることができず、辛かったですね。「これからの人生はやっぱり地元に戻って暮らしたい、それなら早ければ早いほどいいのではないか」そう思った時に、転職を決意しました。

また、会社がグローバルゆえ、本社から来る指示が日本の法人には合っていないと不満に思っていた、ということもありました。例えば、プログラムの内容を変更する際、書類を起こして上長に承認を得るのですが、日本向けサイトのプログラムを変更する場合でも、わざわざ中国などのアジアチームの承認を得なくてはいけなくて。大きな変更ではなくても承認を得なくてはならず、無駄な作業を強いられ効率が悪くなっていると感じていました。仕事内容には不満はなかったのですが、仕事に対するモチベーションは下がっていました。

転職活動はどのように進めましたか?

まず大手の某転職サイトに登録し、コンサルタントと直接会って面談しました。その際、自分が転職する第一の条件として、地元で転職したいと伝えていたのですが、そのコンサルタントは東京や神奈川の会社ばかり勧めてきました。そして「地元には求人が全然ないですよ」と言うんです。私の希望に全く寄り添ってくれないと思っていました。

もう自力で探すしかないと思い、ネットで求人検索していると「リージョナルキャリア静岡(株式会社リンク・アンビション)」のサイトを見つけて。地元の情報に強いと書いてあったので、それにかけて登録してみたんです。

担当コンサルタントの伊藤さんに面談してもらったのですが「いくつか地元で合いそうな求人がありますよ」という言葉をいただき、希望が湧きました。すごく親身になってくれ、私がどうして転職をしたいのかという思いや経緯をよく聞いてくださり、「一緒に頑張っていきましょう」と声をかけてくれました。それで私も「もう一度頑張ろう!」と心に決めました。その後も電話でアドバイスをくださったのですが、対応も誠実で、安心感がありました。転職に関する情報も豊富に持っていたと思います。

今の会社に決めたポイントは?

やはり第一条件としていた、地元である静岡県東部エリアで働けるということ。それから面接に行ったときの社員の皆さんの印象がすごく良かったことですね。面接の前に会社の玄関で待っていると、すれ違う従業員の方が、見知らぬ私に「こんにちは」と声をかけてくださって。それがすごく好印象でした。雰囲気の良い会社だな、東京と違って静岡ってあったかい人が多いんだな、と思いました(笑)。

その印象は実際に入社してからも変わりませんでしたね。同僚の皆さんはすごく温かく迎えてくれ、やったことのなかったゴルフにも誘ってもらえました。最近は頻繁にゴルフに行っていますよ。一緒に働いていても仕事中はなかなか話ができないので、ゴルフをしながら時にはくだらない話ができるのが嬉しいです。休みの日も会うなんて、仲が良いですよね。ありがたいなと思っています。

それから会社の業績が良く、収益が安定しているところにも魅力を感じました。そして残業はほとんどなく、月10時間程度。すごく働きやすくて、有給休暇も取りやすい雰囲気があります。製造部門では難しい部署もあるかもしれませんが、私の部署では全員が有給を取得しているので、私も気兼ねなく休めるようになりました。

最高のロケーションで休日を満喫。プライベートが楽しい!

転職していかがですか?

転職の満足度は、正直に言って百点満点です。一番はやはり同僚の皆さんがいい人ばかりだということ。前職でも仲が良い人はいましたが、都会の会社だったからなのか、中には冷たい人もいました。今の会社は全体的に親切な方が多いと思います。

前職でも自動車部品会社の業務システムを担当していたので、前職の知識は活きていると思います。社員の要望を聞いてシステムに反映していくという仕事の流れも大体同じでした。しかし使っているシステムや作り方は全く違います。会社独特のルールや用語もあるので、理解するには時間がかかりましたね。しかし社内向けの教育制度がしっかりしていて、きちんと説明してくれたので、どんどん理解が深まりました。点が線になっていく感じでした。

私の所属する情報システム課では、最先端の技術を取り入れ、提案していくことを求められていると思います。せっかく新しいシステムを作ったのに、現場でやり方を変えることができないという理由で使ってもらえないこともありましたが。新しいことを取り入れるため現場のやり方を変えるのは、難しいときがありますね。

転職してよかったと思うことは?

システムを利用するエンドユーザーからの声を直接聞けることはやりがいにつながっていますね。メーカーの社内SEというのは、システムをつくる側だけでなく、利用する側の状況も理解しなくてはいけないというのが難しいところだと思います。工場や事務所で働く社員がどんな環境でシステムを利用していて、なにに困っているのか。それをどう改善したらいいのかを理解しなくてはなりません。最近、製造現場で作業員の方がタッチパネルで入力するシステムを導入することになり、作業の工程や流れを覚えなくてはならなかったのですが、なかなか大変でした。

しかし「便利になった」とか「業務効率が上がった」「作業が楽になった」という声を聞くと嬉しく、そこにやりがいがあるなと感じます。個人的にはプログラミングがうまく動いたときに「ヨッシャー!」と嬉しくなりますね。時には苦しみながらプログラムを生み出すので。会社でうまくいかなかった時は、家に帰ってからも考えてしまいますね。意外な時に良いアイディアが思いついて、うまくいったりするんですけどね(笑)。

転職して良かったと思うことは?

新しい技術はどんどん習得していかなければいけないと思っています。例えばAI(人工知能)や、OCR(光学文字認識機能)ですね。AIのプロの方が開いているオンライン講座や、教材を送ってもらって自分で勉強するというスタイルの学習キットなどがあるので挑戦し、業務に生かせたらと思っています。

世界を相手にビジネスをしている会社なので、システム情報課には、最先端技術の習得を求められていると感じます。常にアンテナを張り、自ら勉強していく姿勢が大切だと思います。

それから困っている訳ではないですが、待遇面で一点想定外だったのが、私は実家が近い場所にあるからと、家賃補助が出なかったこと(※)。入社前にきちんと説明してくださったので問題ないですが、地方独特のものかなと思いました。手当について気になる方は転職先が決定する前に確認しておくと安心だと思います。
※編集部注:条件によっては家賃補助は出ます。

生活面の変化はありましたか?

都内にいた時と比べ、プライベートはかなり充実しました。静岡県東部エリアは山も海も近いし、自然に囲まれていて、ロケーションが最高です。ゴルフやキャンプにしょっちゅう行くようになりましたし、SUP(パドルサーフィン)なども楽しんでいます。同僚には沼津が某アニメの聖地だからと、埼玉県から転職してきた方もいるんですよ。やっぱり東部エリアは魅力的なのかなと思います。

また、今暮らしている場所から実家は車で5分ほどなので、すぐ両親のところに顔を出せます。今年の冬、重い風邪にかかり、一人で病院に行くこともできなかったのですが、親に助けてもらいました。近くに住んでいると、お互い安心して暮らせますね。また、父とゴルフに出かけるようになりました。父はゴルフ歴30年以上なのでまだまだ敵いませんが、親孝行できているのかなと思います。戻ってきて良かったなと思える瞬間ですね。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私は新卒で入社後、地元で働いていた5年間は、転職したいと思った事は一度もありませんでした。しかし異動で東京勤務になった2年後くらいから、ずっと転職したいと考えていました。ただ重い腰がなかなか上がらず、決心できなかった。転職したことがなかったので、やり方もわからないし、仕事が変わる事にとても不安を覚えていたんです。

しかしある日、自分はなぜ転職したいと思うのか、自分は本当のところ何をしたいのか、ということをよく考えた時に、転職を決意できました。今決意できていない方は、そこをよく考えてみると一歩踏み出せるかもしれません。

それから、“会社とのスマートな別れ方”というのがあると思うんです。私はプロジェクトのリーダーを任されていたため、途中で投げ出すわけにはいきませんでした。だから会社に迷惑を掛けないように、このプロジェクトが終わったタイミングで退職しようと決めて、そのためにはこのくらいから転職活動を始めて、このくらいまでには辞職の意思を伝えよう、というように、逆算して段取りを組んでおきました。その甲斐あって、トラブルなく会社と別れることができました。会社に負担をかけないよう。きちんとスケジュールを立てて取り組むことが大事かなと思います。

やっぱり地元は最高ですよ!何事にも代え難いものがありますね。最近は都内の会社に勤務しながら田舎でテレワークするというのも流行っていて、転職事情も変わってきているかもしれませんが、私はやっぱり地元に戻ることができて良かったと毎日幸せを噛み締めています!

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
伊藤 雅隆

鈴木さんはシステムエンジニアとして十分なご経験をお持ちで、お人柄も謙虚。とても魅力的な方だったと記憶しております。一方でUターン転職についてはどこか不安そうな印象でした。東京で働きながら地元企業の情報を集める事に苦労されている様子でしたが、ご提案した臼井国際産業社に対しては直ぐにご興味をお持ちいただきました。ご自身の転職理由も整理されており、Uターンの目的も明確でしたので転職活動は順調に進みました。企業からの評価も大変高く、活躍の様子を耳にするたび、大変嬉しく思っておりました。公私ともに充実しているご様子ですので、益々のご活躍を楽しみにしております。

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